日本の夏は高温で湿度が高いため、海外の方にとっては非常に熱中症になりやすい環境である。そして、東京オリンピックでは多くの海外の方が来日することが予想される。そのため、オリンピックに向けて熱中症対策グッズを提案する。

“脇と首を同時に冷やす”ため、日本の伝統的なたすきをモチーフに。

既存の熱中症対策グッズとの差別化を図るべく、太い静脈の通る首と脇を同時に冷やそうとした。自然に脇と首を通ることを重視し、茶摘みや歌舞伎で有名な襷をモチーフとし、形状を決定していった。

外側の布は着脱可能で洗えるため、

衛生面も気にせず着用できる。

SUPPORT

刀の鞘と柄をイメージし、日本らしさを演出した。

襷らしさを残しつつ、

肩への負担を減らそうとした。

ペルチェ冷却部の電源スイッチ

2枚の金属の間に熱電半導体を挟み、電気を流すと片面で吸熱反応、もう片面で放熱反応が起こるペルチェ効果。

非常に軽量でパソコンの冷却装置としても使用されている。襷の中に水の入ったチューブが入っており、ペルチェ冷却部により冷やされた水が襷内を循環することで脇と首を冷やす機構になっている。

ペルチェ冷却部

チューブ内に弁をつけることで、歩くなどの振動で水が循環する仕組みを採用した。電源が不要なので軽量かつエコでもある。

ペルチェ冷却部

熱電半導体

銅板

水の流れ

セラミック基盤

放熱反応

体温で温められた水の流れ

冷却部で冷やされた水の流れ

吸熱反応

日本の襷という意味の「和襷」と、東京オリンピックから人々の繋がりが輪のように広がり、後世まで繋がっていくことで「輪襷」の意味を込め、watasukiと名付けた。お祭りの際に着用されるの法被のように、大勢の観客がwatasukiを身に着けることで、東京オリンピック全体としての盛り上がりを促進させ、国境を越えた統一感を生むことが出来る。

watasukiを着用することで得られる情報をユーザに伝えるために、専用アプリケーションを制作した。天気、WBGT、マップの3つの機能に絞ることでユーザが熱中症予防に関して知りたい情報をピンポイントでえられるよう工夫した。

外国人向けのアプリケーションのため、ロゴを前面に出し、誰が見ても何のアプリを起動したのか一目でわかるようにした。

1.天気

熱中症対策グッズの連携アプリということで、天気を伝える画面では気温をメインとし、色により熱中症の危険度が直感的にわかるよう心掛けた。天気のアイコンもプロダクトのイメージに合うように制作した。

2.暑さ指数(WBGT)とその他の情報

WBGTという聞き慣れない言葉を直感的に理解してもらうために氷をモチーフとしてそれが解ける様子で危険度を5段階に分けて、伝えた。また、体温、発汗量、心拍数がわかるようにし、数値の変化に危険があると通知するようにした。

3.マップ

初めて日本を訪れた外国人観光客は休憩できるカフェなどの施設もわからないのではないかと考え、Google Mapと連携した休息施設検索機能をつけた。

4.メニュー

メニューバーでは東京オリンピック公式ページへのリンクをつけ、種目や会場がいつでもわかるようにした。また、アカウントを制作することで緊急時の対応の急速化につながるのではないかと考えた。

トルソーを使って体にフィットする形を紙で検討した。

初期案をRhinocerosでモデリングし、形状を検討した。これにより、内部の機構の難しさなど多くの問題が判明した。

中間発表時のプロトタイプ

中間では本来の襷のように左肩のところで結ぶことにしていたが、襷を結ぶ経験がない外国人には難しいのではないかと考え、変更した。

中間での反省を踏まえた三面レンダリング。全体の方向を決め、細部を詰めていく。

ペルチェ冷却部をモデリングして、実際に3Dプリンターで出力した。

出来上がったプロトタイプ。サイズ感と動作確認をすることが出来た。

素材:メラミンフォーム

ファブリック:市松(紺)粗さ大

素材

VVFケーブル 2芯

ポリフォーム丸棒

素材

ビニールチューブ  2mm

バックアップ材(ウレタンフォーム)

たすき内部の素材の検討

身体にフィットし、エクステリアが綺麗に見える素材を見つけるために試作を多数制作した。初めは形状を記憶させるために針金やVVFケーブルで検討したが、着け心地が悪かったため、ウレタンやスポンジなど柔らかい素材で検討を続け、メラミンフォームにたどり着いた。

布地のパターンは、海外の方がお土産としても買えるように和柄を中心に検討した。最終的には、東京オリンピックのエンブレムに用いられている市松模様を取り入れることにした。

ファブリックの検討

牛革の使用

最終プロトタイプでは牛革を用いた。これは製品全体に高級感を持たせるとともに、牛革の耐久性や耐熱性を活かせると考えたためである。

制作期間:2017.04 - 08(学部3年前期)

ジャンル:授業作品(領域専門演習)

担当:デザイナー

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